声を出せ。

僕と彼女の間のコトバは音と表記を持っている。そして今,彼女はいない。僕はコトバの表記を黙読する以外の方法がない。
例えばそれは買い物メモ。メニューと日記。テクストは否応なしに展開していく。残るのは何? 無くなったものは? 無くなるべきものは何?
──声を出しなさい。コトバを解き放つのは「声」なんだよ。