2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ねぇ。

ねぇ。 ここは真っ暗なんだよ。 こっちへおいでよ。 そこに寝ころんで。 そのうち目が慣れるなんて思わないで。 真っ暗ってどう?ねぇ。 月をつくったんだよ。 見たい? 目を閉じて。 スイッチを入れるから。ねぇ。 目を開けて。 ライトってまるいんだよ。 安…

──自分に降りかかる雨は払えるのに,相手に降りかかる雨は払えない。 そんな風にYは言った。僕はそんなの欺瞞だと思っていたし今も思っている。

ありがとう

「リアルなのにリアルじゃない,フェイクなのにフェイクじゃない,そういう,ふわふわした,浮遊感のある文章が好き」と僕の文章を好きだと言ってくれた人がいた。

コトバコトバコトバ

「言葉にすると浅くなるなあ,でも僕らには言葉しかないんだよね☆」とか「経験がすべてとはいわないけどさあ,経験したから判るって事もあるよね♪」とか,「そんな経験優越主義なんてまっぴらだ。僕らの想像力を馬鹿にするなヨ!」とか。そんな酔っぱらいみ…

おやすみなさい

耳をすませば──なにか聞こえてくる。 FMラジオを切って,パソコンの電源を落として,耳鳴りがした。キーンという高音が離れない。耳を塞いだ。塞げば塞ぐほどその音は鋭さを増していく。 布団に入り目を閉じた。眼前は真っ暗になるどころか,モーションエフ…

明日休みたいからこのまま微熱が下がらなければいいと思っている。

僕はきっと駄目になりたいだけなのだ。

仮に十年後が本当に十年後に来るとして。

「相変わらずなの?」 「え?」 「食事するの,今も面倒?」 「うん。基本的には面倒だな,と思う」 「そっか」 「気になる?」 「いや,別にそんな,ねぇ。他人がどうしようとわたしにはあまり関係ないというか」 「そうね。それがいいよ。他人のことを気に…

「ススキってどこに生えてるの?」 「ん? その辺にあるでしょうに……」 「ないよ」 「見えてないだけですがな。帰り道にいくらでもあると思うが……」 「ふーん」 「うん」 「お月見した?」 「あのさぁ……大雨だったでしょ?」 「あ,そうか」 「忘れたの?」 …

意味論

君が忘れても私は忘れないものがあると信じていると言った君がいなくなった。

記憶

語る場と語りを共有できる相手を失った記憶はどうなるか知っていますか? 日常の生活に埋もれてしまうんです。ちょっとやそっとじゃ呼び起こせない程度に埋もれてしまうんです。

何もなかった

「夏が終わった」 「何もないね」 実際のところ,7月や 8月に何もしていないわけはないのであって。 「何もない」と言えば楽になれる。対話の拒否。 「あったこと」を「なかったこと」にするとか,失敗したことの責任を取らずにしてしまうとか,そうやって,…